正確には少し違う。
お総菜コーナーに何もないわけではない。
お惣菜と言えば、コロッケ・メンチカツ、から揚げ、油淋鶏、焼き鳥…
そう、メインディッシュを求めているものだ。
これから料理をするのが面倒なので家で食べるために買っているものだ。
特に揚げ物を嫌う主婦にとっては、揚げ物が気軽に手に入り、純粋な子供は手放しに喜ぶ。
そこにあったのは、寿司と弁当。
家で食べるのに炭水化物メインの食事など要らない。家に帰ればいくらでもあり、適量を食べられる。
弁当は色々入っていて一見良さそうだが、中サイズのお惣菜と大サイズの米、あとは半口サイズの申し訳程度の野菜だ。
騙されてはいけない。
寿司などもってのほかだ。炭水化物以上に、特に理由もなく寿司を日常食にすると喜びが減る。
絶望していたのは私だけだと思っていたが、意外と夜のスーパーに来る人間は同じ発想のようだ。
私がお総菜コーナーを4周している間に、周りの顔ぶれは変わらない。
同志もそこには無い値引きお惣菜を探し求めて、4周していた。
安い米国のゾンビ映画のように。
結局生肉コーナーに行き、一番簡単に調理できる肉を買う。
ちょっとでも安いものを買いたいのではなく、炭水化物を押し付けてくる社会への抗議だ。
今日は少し酒とアイスも買ってみるか。
~つづく~